相続とは、人が亡くなったときに、その人が所有していた財産などを受け継ぐことです。このときに、亡くなった人のことを被相続人といい、配偶者や子供など財産を受け継ぐ権利がある人を相続人といいます。
相続を行うには、相続人の間で財産の分け方について合意を得なければなりません。また、遺産が多い場合は、相続税を支払うことにもなり、税額計算のため、財産の評価等が必要になります。
では、円満な相続に必要なこととは何だと思いますか? それは、生前のうちから早目に準備することに尽きます。
「相続なんてまだ先のこと」なんて思っていませんか? 確かに、一家が平穏無事な状態のうちは、今のままの生活がずっと続くように思ってしまうのも無理はありません。しかし、誰の人生にも必ず変化が訪れます。誰でもこの先どうなるかわかりません。今日にでも事故にあったり、急病で倒れる可能性があるのです。
したがって、相続対策に「早過ぎる」ということはなく、今来てもいい状況でアクションを取る必要があります。しっかり対策を決めておけば、それが今来ようと10年後、20年後に来ようと慌てることはありません。
「うちの家族は親子兄弟姉妹みんな仲が良いから相続争いとは無縁」なんて安心していませんか?
これこそ、大きな誤解です。どんなに仲が良い家族でも、相続をきっかけに関係にひびが入るケースは全然珍しくありません。
「仲がいい」というのは、どのように仲がいいのでしょう? また、仲がよかったのはいつの話ですか? また、最近兄弟姉妹で会ったのはいつですか? 子供のころに兄弟姉妹の仲がよかったからといって、相続争いが起きないとは言えません。
兄弟姉妹が成人して、それぞれ家庭を持つようになれば、経済状況もそれぞれ異なってきます。自分が築く家庭を大事にしたいという気持ちが強くなるのは、当然のことです。しかも、相続のように財産問題が絡むときには、人間の本音が露呈します。兄弟姉妹にそれぞれ配偶者がいると配偶者の意向も加わり、親が亡くなった途端に権利意識が強くなります。それをきっかけに、水面下にたまっていた不満があらわになることもあるのです。
相続にまつわるトラブルのほとんどは、生前準備をしていなかったことが原因といっても過言ではありません。相続トラブルに発展すると、多くの時間とお金を浪費し、人間関係の修復が難しくなります。「まだ早い」「みんな仲が良い」段階から、準備を進めておくことが、円満な相続につながるのです。
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